注文住宅で家を建てると決めた。建ててしまえばもうお金はかからないよね。夏は涼しくて冬は暖かく、家族が安心して住める家になる。この辺りはあえて口に出さなくても、大前提として暗黙の了解みたいになっていませんか?実はそんなことはない。この記事はこの「暗黙の了解」は家を建てたいあなたと、家を建てる業者とではちょっと基準が違っているかも、を明らかにしたいと思います
注文住宅で家を建てると決めた。当たり前だと思っていたことが・・・
注文住宅で家を建てると決めた
ハウスメーカーでも、工務店でも、どこでもいいでしょう
建ててしまえばもうお金はかからない
夏涼しくて、冬暖かい家になる
安全で安心して暮らせる家になる
本当に?
この辺りはあえて口に出さなくても、大前提として暗黙の了解みたいになっていませんか
暗黙の了解になっているから、ここを大して詰めて考えずに、デザインや金額にとらわれていませんか
私自身、工務店で働きながら家を建て、やっぱりこうすればよかったという反省点も加えて、これから家を建てたい方の参考になればと思います
家を建てると決めた お金のかからない家になるよね
何千万円もお金をかけて家を建てるのですから、当然建てたらずっとそのまま住み続けられると思っていますよね
せいぜい、将来トイレなどの設備は修理、取り換えはあるかも、と想像するくらいでしょうか
家って建ててからもお金がかかったりするの?
そうなのよ。気を付けないと、15年後に100万円かかるとか、あるからね。
設備の取り換えは割と想像できると思います
内装(床とか壁)は、少々どうなっても住む人が我慢すれば何とかなります
放っておくと大変なことになる(住めなくなる)のが、外装です
この画像何かわかりますか?
たまたま車で走っていて、撮影した家の外壁です
家のデザインとか、周囲の状況からみても建ててから15年も経っていないかも、と思われます
これは窯業系サイディングと言われるもので、10年ごとに塗り替えを推奨されているものと想像できます
引用元;ニチハ株式会社 2022カタログより
このようにメーカーのカタログにもちゃんと記載されています
10年ごとに塗り替えということは、10年ごとに足場を組んでの工事が発生するということです
外壁材を選ぶときには、価格や見た目だけにとらわれるのではなく、メンテナンスについてもきちんと理解したうえで選びたいものです
外壁以外でも、家の外部に使うもの、屋根・外壁のつなぎ目(シーリング)・バルコニー、などの耐久性やメンテナンスの頻度を確認するのはとっても重要!
この点を我が家に当てはめると、苦い経験があったので長持ちする外壁を選んだよ
詳しくはこちらの記事をお読みください
家を建てると決めた 夏涼しくて冬暖かい家になるよね
この「夏涼しくて、冬暖かい家」という定義が難しいですね
どうしても今までの経験がベースになることが多く、日本の多くの家では、例えばリビングは暖かくてもトイレは寒い、夏の2階は暑いもの、が常識だったりします
そうすると、今まで住んでいた環境が劣悪なほど、新しく建てた家は素晴らしい!となりがちです。
そうかと思うと、アパートに住んでいた人は
一戸建てって案外寒いのね、と思うかもしれません
はたまた、光熱費がなんて高いの!!と思う人もいるでしょう
どうしてこんなことが起こるのか?
これはおんなじ土俵に乗って、「暖かい涼しい」を話していないから起こります
じゃあ、暖かいとか涼しいの基準はどう考えればいいの?
ちょっと難しい話だけど、一応国の定める基準があるから説明するね
引用元:国土交通省 住宅の品質確保の促進等に関する法律に基づく住宅性能表示制度におけるZEH水準を上回る等級について
家の暖かさ、涼しさを測る基準に断熱等級というものがあります
それが表にある、等級2、等級3、等級4ですね
地域の区分は必要な断熱基準を地域によって分けていて、1が北海道で8が沖縄です
赤く囲ってある5地域は、ちょうど私が住む滋賀県に当たります
断熱等級4とは平成11年に制定された基準で、2022年3月までは国交省の定める最高基準でした
断熱等級4は最高等級と言いながら実際には全然よくない性能で、この程度の性能で家中を冬暖かくするには光熱費がとてもかかると思うよ
実際には等級4よりも高い基準はすでにあったのですが、多くの建築会社は「うちは最高等級4の家です!」と言って販売していました。
この基準を我が家(2014年築)に当てはめると、ua値が0.55です
5地域の等級4が0.87、等級5が0.6から比べると、素晴らしいじゃないかっ! てなりそうですが、正直ちょっと後悔しています(その頃、まだそんなに知識がなかった 泣)
比較は難しいのですが、もう少し断熱性能を上げておけば、光熱費(エアコン1台で全館冷暖房)が安く抑えられたのではないかと思っています
そんなに単純な話ではないけれど、窓の選定とか、そういったところでも数値はよくなったと思う。もうちょっと考えればよかったかな~
ua値1.6の家と0.52の家の光熱費の比較(大きさはほとんど同じ 延べ床30坪程度)
ua値1.6(推定) 平成2年築 年間¥218.894 月平均¥18241 トイレや廊下の寒い家 大手ハウスメーカー
ua値0.52 平成26年築 年間¥134.679 月平均¥11.223 トイレや廊下の寒くない家
皆さん、ua値などの性能(他にも要因がある)が上がると、暮らしやすくてお金のかからない家になります~
現在の最高等級である等級5(ZEH ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス ゼッチと読みます)は2022年4月時点では最上位等級ですが、すぐにもっと上位の等級が設定されてしまいます。
国のロードマップでは2030年にこの等級5が新築義務化の対象となる予定です。
そしてさらに基準値は引き上げられていくと思います
2030年には我が家は義務化の性能程度になります・・・
その先は、基準値以下の家になりそうです・・・
建築会社の「うちの断熱性能は最高等級5です!」の言葉を鵜吞みにせず、世の中にはもっと良い断熱性能があることを知っておくこと。年間にかかる光熱費の予想と、暖房方式(全館か各部屋か)を聞くのはいい方法かも
こんな会社で家を建てられたら幸せだな~、と思う工務店さんのブログ貼っときます
家を建てると決めた 安全で安心な家になるよね
日本は地震大国ですね
私が生きてきた間で強く記憶に残ってるのだけでも、阪神淡路、東北、熊本、他にもたくさんあります
家族の命を守るためにも地震に強い家が欲しいと思いますよね
地震が来ても倒壊しない、だけではなく住み続けられることが大切ですね
さて、先ほどの断熱性能と同じように地震に対する耐震性能という基準があります
引用元;国土交通省 住宅性能表示制度
この表を見る限り、等級1でも倒壊しないんだしOKじゃないの?
それが違うのよ!うまく説明してくれている九州の工務店さんのブログを紹介するね。ぜひ、読んでみて。
我が家の最大の後悔のポイントがここ。実は我が家は耐震等級2なのです。
その当時私が仕事をしていた工務店さんは、まだそこまで性能に対する意識が高くありませんでした
断熱性能もそうですが耐震性能も良くしようと思うと、ややこしい計算が必要だったり、コストがかかります
そのコストは結局は建てる人が負担することになるので、そこまで必要か?という発展途上だったと思います
断熱性能も耐震性能も、建てる人が理解したうえで性能を上げないのであればOKだと思います。人の考え方はそれぞれですから。
でも、その知識技術がない建築会社が必要ないと言うのは問題だと思います
今では我が家を建ててもらった工務店さんも、断熱も耐震もしっかり取り組んでおられますよ!
ハウスメーカーなんかに行くと「地震に強い家 〇〇制震システム」とか「なんとか免震技術」なんてフレーズを聞くと思います
それらを否定する気は全然ないのですが、まずは「許容応力度計算による耐震等級3」が前提での技術だと思います
建築依頼をしようと思っている会社が耐震等級3をとれる設計力を持ち、そのうえで間取りの打ち合わせが出来るか確認しよう!
家を建てると決めた ちゃんと確認したい事をまとめてみた
家の外部に使う材料は予算重視よりも耐久性、メンテナンス性のほうが大切です
建築会社の言う「うちの断熱性能は最高等級です!」を鵜呑みにしない。断熱性能を上げることで光熱費は下がる。自分にとっての落としどころを一緒に考えてくれる会社を選ぼう(最低でも等級6,できれば7)
耐震性能は許容応力度計算による等級3を是非おススメしたい。なぜならあとからやりたいと思っても出来ない、あるいはすごくお金がかかるから
家を建てよう!と考えて、どんなデザインにしよう~、とかリビングはこれくらいの大きさがいいなぁ、建築先はどこ?とか夢いっぱいですよね
あるいは資金計画でいくら借りられるのか、どこで借りるのかお悩み中の人もいるでしょう
この記事で書いたポイントを忘れないで、良い依頼先を探してくださいね
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