家づくりはいろいろな事柄を取捨選択しますが、この記事では室内建具について書いてみます。ハウスメーカーなどで提示されるのは所謂新建材で出来た建具がほとんどだと思います。自然素材系で内装をまとめている会社はやはり無垢材の既製品建具や、造作で作られることも多いです。どんな内装にしようとしているのかによって、選ぶ建具も変わってきます。この記事を読めば、あなたにとって最適な室内建具を選ぶことができますように!
その前に、室内建具の開き方について
建具の開き方というと、レバーハンドルを回して手前、あるいは向こう側へ開ける、いわゆるドアと呼ばれるものがあります
また、最近人気なのが壁に沿って建具を動かすタイプの引き戸があります。
実は他にも様々な建具があります
建具の開き方、について詳しく書いてある記事を貼っておきます。
ページ中ほど、建具ラインナップという項目に詳しく載っています。
新建材の室内建具とはどんなもの?
パナソニック クラフトレーベル
新建材の室内建具の特徴
なんといっても豊富な色柄にあります
プリント(印刷)されたオレフィンシートなどを貼って仕上げるので、色柄は無限にありそうです
デザインもシンプルなものから和風なもの、ありとあらゆるものがあります
一概には言い切れませんが、価格も安価なものが多い印象です
依頼先の会社によって仕入れ価格が違うので、定価だけで判断せずに一度依頼先に聞いてみることが大事です!
プリントされた柄ですから、フェイクにありがちなチープ感を感じる方もあるかもしれません
経年変化ではいずれシートが剝がれることもあるでしょう
依頼先の会社が得意とするメーカーがあるはずなので、そちらから選ぶのがコスト的には良いかもしれません
代表的なメーカー
他にもモダンでおしゃれな建具を作っているのがこちらのサンワカンパニーです。
ただし、施主支給になるかもしれないので依頼先とよく相談が必要です
建具に限らず施主支給を嫌がる会社は多いです。トラブルがあった時の責任の所在が分かりにくくなるためです。使いたい場合はよく話し合ってね。
サンワカンパニー
無垢材の室内建具とはどんなもの?
ユダ木工 ラピュアナ室内ドアシリーズ
無垢材の室内建具の特徴
新建材の建具がプリントされたシート張りだったのに対し、無垢材の建具はどこをカットしてももともとの木が出てきます
例えば上の画像のユダ木工のドアですが、桧の無垢材で作られたものに塗装がされているので、どこで切っても桧が出てきます
木柄で言うと新建材にはかないませんが、デザインや色に関しては豊富に用意されています
遠目で見ていると違いが分かりにくくても、手に触れると新建材のフェイク感と無垢材の本物感の違いは分かると思います
無塗装や薄い色の塗装の物は経年変化による色の変化があります
デメリットは価格が高くなることです
こちらも依頼先の会社が得意とするメーカーがあるはずなので、そちらから選ぶのがコスト的には良いかもしれません
代表的なメーカー
造作ではどんな室内建具が作れるの?
株式会社マルト 天竜焼杉と塗り壁の外観の家
造作建具の特徴
造作建具の範囲は広く、素材で分けてもメラミン材を使ったものから、無垢材を使ったものまであります
この記事では突板といわれるものを使った造作建具に注目したいと思います
どのような場面で使われるかというと、無垢の床材などを使ったいわゆる自然素材系の家で使われることが多いです
無垢床材によく似合うのは無垢材の建具だけど、コストがかかるのが難点なのね
無垢床材に新建材の建具を合わせるとどうしてもちぐはぐな感じがぬぐえず、その点突板を使った建具ですとすんなりと空間に収まります
よく使われるのが、シナで他にもタモやナラ、オークなどなど様々な樹種があります
シナベニアについて書かれたブログを貼っておきます
和歌山の工務店さんが書かれたものです
さて、造作建具の最大の特徴は家じゅうの建具を揃えられることです
例えば上の株式会社マルトさんの画像はタモ突板で作られた収納の引き違い扉ですが、下の画像のようにキッチンなどもすべて同じ素材で作られています
株式会社マルト 天竜焼杉と塗り壁の外観の家
簡単に家じゅうのテイストが揃えられ、しかも上質な雰囲気に仕上がるのでとてもおススメです
また、サイズに制限がなく開口部に合わせて自由に作ることができるので、妙な壁が残ったりということが無くすっきりと仕上げられます
造作建具の良さについて書かれた、大阪の工務店さんのブログを貼っておきます
造作建具の仕上がりを左右するハンドル類
既製品と違い、造作建具はドアハンドルや引き戸の引手などを選ぶ事も出来ます
何を選ぶかによってずいぶんと印象が変わりますから、慎重に選んで下さい
例えば上の画像(キッチンの写っているもの)の右側に少し写っている食器棚の引手、一見何もないように見えますが木で掘り込みの引手を作っています
大手メーカーではこちら
個性的なところでは
↓ カテゴリー検索で建築パーツを開いてください
室内建具の高さについて
株式会社マルト 2階外リビングのある家
こちらの画像は平均的な天井高2400に対し、高さ2400のハイドアになります
株式会社マルト 楽々・家事動線の家
こちらの画像は平均的な天井高2400に対し、高さ2000のドアになります
吹き抜けのあるなしに関わらず、一番多い組み合わせかと思います
株式会社マルト 天竜焼杉と塗り壁の外観の家
こちらは天井高2200に対し、高さ2200のハイドアになります
御覧のように天井まである建具の方がスッキリと見えるのは間違いないと思います
既製品の中には高さ2700を謳う商品もあります
ただ、建具も背が高くなる方が価格も高くなりますし、物によっては反りの問題も出てきます
また、高さ2700の建具が似合う空間とは、ある程度の広さがないとバランスが取れないので高ければよいというものでもないと思います
天井高2200を低いと一概に思い込まず、お近くのモデルハウス(HMではなく工務店が多い)などを確認されるのをおススメします
天井を低くするとその分施工面積が減るのでコスト減というおまけもつきます。でも、視線の抜けとか、広がりを感じる設計が必要なのでよく考えてね
下の記事は天井高2200程度の実例です
どんな風に見えますか?
室内建具と床材の相性はとても大切
先にも書いたように室内建具と床材とは、素材を揃えたほうが仕上がりがきれいだと思います
パナソニック プラスレーベル参考プラン
新建材の建具には新建材の床
新建材には無垢にはないような色や柄があります
そういったものを選ぶと、かっこいい部屋作りが出来そうです
イマガワ 杉のきこりⅡ
無垢材や造作で造る突板の建具には無垢材の床
無垢材も針葉樹や広葉樹、どちらを選ぶかで雰囲気も変わってきます
経年変化も含めて長く使える素材ですので、お気に入りの一つを選びたいものです
室内建具についてのまとめ
- 建具の開き方によって使い勝手が違ってきます。開き戸(ドア)がいいのか、引き戸がいいのかよく検討しましょう
- 床材によって選ぶべき建具の素材は変わります。その上で依頼先が得意とするメーカーから選んだ方が安く手に入るかもしれません
- 建具の高さは天井との関係が深いです。すっきりした仕上がりを希望される場合は、天井高を2200にし天井まである建具を検討することをおススメします
最後になりましたが、次が一番大切です
近年の家は高気密高断熱化が進んでいます
そういった家は少ない台数のエアコンなどで家じゅうの空調を管理することが多いです
局所冷暖房でない場合、減らせる建具が出てきます
コスト減につながります
- その建具が本当にそこに必要か?立ち止まって考えてみましょう!
コメント